奥さんと僕

「奥さんが作ってくれたイチゴのショートケーキが何よりおいしかったこと」

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昨晩、奥さんがケーキを作ってくれた。

 

小麦粉からスポンジを作って、生クリームを泡立てて、イチゴのヘタをとってイチゴのショートケーキを作ってくれた。

ワンホールのケーキは2人じゃ食べきれなくて、ラップをして冷蔵庫にしまった。

しまいながら、「なんて幸せなんだろう」と、思った。この幸せな気持ちを残しておきたくて、文字にすることにした。

 

 

僕は3兄弟の長男で、家は今思うとそんなに裕福な方ではなかったけれど、幸せだった。

お母さんは僕の誕生日が近づくと「何食べたい?」と聞いてくれた。

僕は「チーズケーキ!」と毎年毎年答えた。

 

僕のお母さんが作るチーズケーキはとてもシンプルで、ホットケーキミックスとクリームチーズを混ぜ合わせてオーブンで焼くだけのものだった。

僕はこのチーズケーキがどんなケーキより美味しいと思っていた。

オーブンに入れた生地から、時間がたつにつれてどんどんいい匂いがしてきて、待ちきれない僕はチン!となったオーブンからとりだしたばかりの熱々のチーズケーキをひと口食べさせてもらうのがなにより好きだった。

「冷ました方がおいしいのに〜」と言うお母さんに、

「こっちの方がおいしいねん!」と僕は言って、もう一口食べた。

こっちの方が美味しいと思っていたのは、家でお母さんが手作りでケーキを僕のために焼いてくれたからなんじゃないかな、と今は思う。

 

そりゃお店のプロが作るケーキは美味しい。

でも僕は断然このチーズケーキが大好きだった。

 

 

働きはじめて実家をでて、自分の誕生日だからといって実家に帰ることもないので、もうずいぶん手作りのケーキなんて食べてなかった。

そして昨日、ご飯を食べ終わってふっとした時間に「なんか紅茶飲みたいな〜」と言ったら、「そう?ほんならちょっと待ってて!」と言って奥さんはキッチンに立った。

「クリスマスケーキの練習したかってんよね〜。でもケーキ作るのなんか久しぶりやからうまくできるかな〜」と言いながら真剣にボウルをかき混ぜる横顔は、もしかしたら今までみた中で1番綺麗でかっこよかったかもしれない。

シャカシャカと生クリームを泡立てて、刃のついてないヘラみたいなのでスポンジに生クリームを塗っていく。

 

「あー、やっぱりうまいことできひんな〜ごめんな〜」と奥さんは言った。

もう、それだけで僕は幸せだった。

それだけで僕はお腹いっぱいだった。

 

 

「はい!できたよー!」

といってテーブルにケーキを運んでくれた。

僕はティーパックで2人分の紅茶を淹れた。

 

「ありがとう〜」

「喜んでくれてよかった〜」

そういってホールケーキに2人でフォークを刺した。

とってもおいしかった。

どんなケーキより幸せだった。

 

「おいしー!ありがとう〜!」と言うと

「ん〜やっぱり今度は牛乳いれてみるわ、スポンジモサモサしてるね」とケーキをまじまじと見ながら言った。

そんなこと、ないことはないかもしれない。

けど、そんなこと、なんだって言うんだ。

 

そりゃお金をだせばもっと綺麗なケーキを買えるよ。
でもこのイチゴのケーキの方がお店のケーキより5,000倍くらい幸せな気持ち!

そう言うと「そう?よかった〜」と笑ってくれた。

僕も笑った。

 

 

奥さんがケーキを作ってくれた。

ワンホールのケーキは2人じゃ食べきれなくて、ラップをして冷蔵庫にしまった。

また明日も食べれると思うと、またちょっと笑ってしまった。

 

 

追記 : 奥さんに読んでもらったら「あなたのためにケーキを作ったのははじめてではないです」とご指摘いただきました。笑

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